第195章 それは無力感の挫折感

ここ数年、彼はあの言葉をずっと胸の奥にしまっていた。

好きなら、手に入れろ。

――だが、そこまでだ。

誰かや何かのせいで、自分自身が揺らぐことだけは絶対にしない。そう決めてきた。

それなのに、立花郁葉に関しては例外が多すぎた。

理性が、冷たく囁く。

この女を殺せ。

そうすれば、痛みも、苛立ちも、すべてここで終わる。

夜中に跳ね起きて、彼女がどこへ行ったのか考えなくていい。

毎晩、胸の奥がざわついて、なぜ去ったのかを追い詰めなくていい。

スマホを睨みつけて、たった一通の連絡を待ち続けなくていい。

彼女のいない家の中で、どこを見ても残像を拾わなくていい。

殺してしまえば、...

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