第3章

 コルヴィンは部屋を二歩で横切った。

 片方の手が肩甲骨の間に食い込み、もう片方はすでに顎をこじ開けようとしていた。錬金術師の反射――思考より速い。

「口を開けろ。今すぐ――」

 私は歯を食いしばった。彼は指をこじ入れ、私は噛みしめた。何かがぷつりと切れる感触がして、コルヴィンが息を呑む。次の瞬間、頬を殴られた。

 頭が横に弾け、しばらくは耳鳴りしかなかった。

 朦朧としている間に、彼は腰の道具入れから催吐剤を取り出し、私の唇の間に押し込んだ。飲み込むしかない。

 吐いた。足が崩れるまで吐き続けた。床が迫ってきて、私はその上に座り込んだまま笑った――喉の奥が裂けそうな、やかましくて、もうどう聞こえようと構わない笑い声だった。

 コルヴィンは荒い息を吐きながら私を見下ろし、片手で片方の手首を押さえていた。

「ケイランがお前をもう望んでいないからって」彼は言った。「こんな死に方がしたいのか? 尊厳はどこへ行った」

 ルナイトの欠片は毒だった。私は三か月かけて、なぜどう毒になるのかを記録してきた。制限付きの盟約文書館から資料を引き抜き、原因も経路も潰して。そこへイゾルデが袋いっぱいにそれを持ち込み、窓辺に置いたのだ。彼女はコルヴィンを見て、こう言った。「きれいでしょう? ここに置いておいてもいい?」

 コルヴィンは私を振り返った。「そんな不注意はしないだろ、レン。彼女が居心地悪くなる理由探しはやめろ」

 そのとき私は、この世界では誰ひとり、私の言うことを信じたことがないのだと思った。

 今もそう思っている。

「あなたは一度も、実際に何が起きたのか聞かなかった」私は言った。声がうまく出ない。「決めつけた。何も聞かずに、たったひとつの質問もしないで、自分の妹を追い出した」

 部屋が静まり返った。

 コルヴィンの顔が、複雑に歪んだ。床、手、ドア枠――私以外のどこかを見つめる。

 答えはない。それがすべてだった。

 そのとき外で蹄の音。速い。切迫した、ただならぬ響き。

 協定の緑を身にまとった執事が戸口に現れ、息を切らしながら短く一礼してケイランに告げた。「ケイラン様、コルヴィン様。殿下がお呼びです。伴侶レンもただちに協定の館へ。イゾルデ様が行方不明です」

 ケイランとコルヴィンが互いを見た。

 それから二人とも、私を見た。

 コルヴィンの表情が、平たく、確信めいたものに落ち着く。「なるほど。全部、目くらましだったわけだ。彼女をどうした? どこにいる」

 私はイゾルデがどこにいるのか知らない。本当に、まったくわからなかった。

 けれど彼らは、私を愛したことなど一度もないほどに、彼女を愛している。私が彼女を傷つけたと――本気でそう信じるなら――たぶん、これが終わり方なのだ。

 私は何も言わなかった。引きずられるままにした。

 協定の館は天井が高く、派閥の旗が垂れ、祭のために暖炉で燃やしていた何かの匂いが漂っていた。彼らは私を脇の入口から連れ込んだ。

 そこには、見覚えのある者がすでに二人いた。

 ルーエン・グレイムーアが奥の壁際に立っていた。旅装の革鎧、そして長い野外任務で身についた独特の静けさ。彼に会うのは一年以上ぶりだ。前に誰かに何かを説明しようとした最後のときより前に、彼は北の辺境へ発った。戻ってきた頃には、もう説明するものが何も残っていなかった。

 最後にまともに会話したのは、彼が誓いの烙印を返してくれと言った日だ。

 彼は手を差し出した。私はそこにそれを置いた。鉄の欠片を三年間持っていたのに、返すのは結局四秒ほどで済んだ。彼は何も言わない。私も言わない。私たちはどちらも、謝罪より沈黙のほうが得意だった。

 ファエロンは部屋の奥にいた。

 私が彼を見ると、彼も私を見た。彼の弓のことを思う。私が彼を知る前から彼が携えていた、銀木目の長弓。上肢の平たい面に刻まれた私の名――エルフ文字で、正確で、意図のこもった線。今はそこが滑らかになっている場所。そして、その隣に増えた新しい文字。

 そこに留まらないようにした。

 もうこの遊びはしたくない、と私は思った。ただ、家に帰りたい。

 ケイランが私の前で足を止めた。顎を掴まれ、顔を上向かせられる。

「どこだ」

 手首の失敗した刻印は、晩餐会のあとからずっと冷えたままだった。そこへ彼が手を伸ばしてくるのを感じた――残滓の糸、転化が失敗したあとにも溶けきらずに残った結びの一部。彼は以前にも一度、それを使ったことがある。やり方を熟知している。

 圧力が低く始まり、すぐに跳ね上がった。外からではない。血管の内側からだ――血が、本来行くはずのない場所へ押し流される。刻印の部分で瘢痕が裂け、温かさが滲み広がるのがわかった。

 彼は見ていた。待っていた。

 頼みもせずに私に押しつけたもの、と私は思った。それのせいで、四年を奪われた。

 いい。最後まで使えばいい。

 私は彼を見上げた。

「イゾルデ?」一拍置いて、「殺した。みんなあの子が大好きなんだろ――ほら、やれよ。これで私を殺せばいい」

 彼の目が赤くなった。縁だけではない。圧力が跳ね上がり、視界の隅が白く灼け、血があらゆる方向へいっせいに逆流するような感覚がして、膝が落ち――

 広間の外から声がした。軽く、どこか愉快そうに。

「もうみんな揃ってるの? なんて再会」間があって、「それにしても、どうして血がこんなに?」

 私は床に叩きつけられた。

前のチャプター
次のチャプター