第4章

シエナ視点

日没ごろに母屋へ戻ると、私の寝室のドアの外、廊下にすべての私物が山積みになっていた。服、本、写真立て、何もかもが段ボール箱に放り込まれている。

イザベラが、かつて私の部屋だった場所の戸口に立っていた。その顔には柔らかな微笑みが浮かんでいたが、それを見ると肌が粟立つ。

「シエナ、おかえりなさい」彼女は首を傾げた。「散らかっていてごめんなさいね。スタッフがまだ整理している途中なの」

「何が起こっているの?」

「ああ、父がね、私がここに永住することになったから、この部屋の方がいいだろうって」彼女は部屋の中を指し示した。「わかるでしょう?」

彼女の向こう、部屋の中を覗き込む。すでに彼女の物が運び込まれていた。私の机があった場所には彼女の化粧台が置かれ、私のクローゼットには彼女の服が掛かっている。

「ずいぶんと思いやりのあることだわ」私は一番近くにあった箱を拾い上げた。「じゃあ、お邪魔みたいだから失礼するわね」

「シエナ、そんな言い方しないで」イザベラの声がさらに甘くなった。「辛いのはわかるわ。でも、私はただ父に言われた通りにしているだけなの」

返事をする気にもなれなかった。ただもう一つの箱を掴み、その場を立ち去った。

母の別荘はオコナー家の敷地の端にあった。母が遺言で私に残してくれた、お父さんでさえ手出しできない唯一の場所。昔、まだ私たちがお互いを失うことなんてないと思っていた頃、フィンと私はよくここに来ていた。私たちの秘密の隠れ家。指紋認証で入れるのは、私たち二人だけだった。

リビングに箱を放り出し、まっすぐ寝室へ向かう。化粧台の上には、最後に置いたままの母の宝石箱があった。それを開けた瞬間、胃がひっくり返るような心地がした。

真珠のネックレスが、ない。

いや。いや、いや、いや。

箱の中をめちゃくちゃにかき回した。どこか別の場所に移して忘れてしまったのかもしれない。でも、そんなはずはないとわかっていた。誕生日パーティーが終わった後、ただ箱に戻しただけなのだ。

手がひどく震えだし、宝石箱をまともに閉じることもできない。

一体誰が盗んだというのか?この別荘に入れるのは二人だけ。私と――

スマートフォンのセキュリティ映像を呼び出す。別荘のすべての出入り口にはカメラが設置されている。昨日の午後にまでスクロールバックした。あった。正面玄関のドアが開く。

最初にフィンが入ってきた。そして彼のすぐ後ろ、手をつないでいたのは、イザベラだった。

彼が彼女に私たちの場所を……私たちの秘密を、見せていたのだ。彼は彼女をここに連れてきて、私たちだけのものだったはずのすべてに、彼女を触れさせた。

ざらついた映像の中で、二人が部屋を歩き回るのを見る。イザベラが指で家具をなぞり、手当たり次第に物を手に取るのを。そしてフィンが外で待っている間、彼女は数分間、寝室に姿を消した。

この、最低な裏切り者。

ジャケットと車の鍵を掴み、母のクローゼットにある金庫へ向かう。そこに保管されていた拳銃を取り出した。弾倉を確かめて弾が装填されていることを確認し、ウエストバンドにねじ込んだ。

もういい子でいるのはやめだ。

マーフィー家のヨットは港に停泊し、暗い水面を背景に煌々と照らされていた。甲板では出港準備をする人々が動き回っているのが見える。

まっすぐ船橋へと歩み寄る。乗組員の一人が止めようとしたが、私は彼を突き飛ばした。

「オコナーさん、勝手に入るのは――」

「どけ」

上部甲板で二人を見つけた。フィンは手すりに寄りかかり、イザベラは彼の腕に手を置いたまま、彼が言った何かに笑っていた。

「私の母のネックレスはどこ?」

二人が振り返った。イザベラの目は大きく見開かれ、私が何を言っているのか全くわからない、というような無垢な表情を浮かべている。

「シエナ?」フィンが体を起こした。「ここで何をしているんだ?」

「母が私にくれた真珠のネックレスよ」私は銃の近くに手をやりながら、一歩近づいた。「どこにあるの、イザベラ?」

「ああ」イザベラの顔がくしゃりと歪み、目に涙が浮かび始めた。「シエナ、ごめんなさい。そんなつもりじゃ――」

彼女はハンドバッグに手を伸ばし、ネックレスを取り出した。真珠が甲板の照明の下で輝く。

「昨日、別荘にいて、それを見たら、あまりにもきれいで」涙が彼女の頬を伝い始めた。「フィンが、今夜だけ借りてもあなたは気にしないって言ったの。返すつもりだったのよ、本当に――」

「フィンが気にしないって言った」私は彼を見た。胸の中に何か冷たいものがすとんと落ちてくるのを感じた。「あなたが彼女に、私の母のネックレスを取れと?」

「取れなんて言ってない」フィンは早口で言った。「ただ、君は気前がいいからと――」

「それで許されるとでも?」私はイザベラに手を差し出した。「返しなさい。今すぐ」

「もちろんよ」イザベラはまだ涙を流したまま、私の方へ歩み寄ってきた。「本当にごめんなさい、私が悪かったわ――」

そして彼女はネックレスを両手で掴むと、力任せに引っぱった。

糸が切れた。真珠が四方八方に飛び散り、甲板を転がって手すりの方へ弾んでいく。いくつかは隙間から、下の暗い水の中へと落ちていった。

喉の奥から、自分でも信じられないような、傷ついた獣の呻き声が漏れた。母が私に残してくれた最後の贈り物が、目の前で破壊されたのだ。

「あら」イザベラは口に手を当てた。「大変、ごめんなさい!事故なの、本当に――」

私は銃を抜いた。

イザベラは悲鳴を上げて後ずさった。私は銃を上げ、彼女の頭のすぐ横にある手すりを狙って、引き金を引いた。

銃声が港中に響き渡った。弾丸は金属の手すりに当たり、夜の闇へと跳弾した。イザベラは甲板に崩れ落ち、金切り声を上げ続けている。

「シエナ!」後ろからフィンの声がしたが、耳鳴りとイザベラの叫び声、そして頭の中で鳴り響く自分の心臓の鼓動以外、何も聞こえなかった。

彼女はそれを壊した。私の目をまっすぐ見て、母が残してくれた最後のものを破壊したのだ。

「シエナッ!」

横からフィンが突っ込んできて、突然、私の足が甲板を離れ、体ごと後方へ吹き飛ばされた。手から銃が滑り落ち、そして私は、凍えるように冷たい水面に叩きつけられた。

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