第114章 彼女に逃げ道すら残す気はないのか

庄司剛征の考えは単純だった。男として――いや、一度でも道を踏み外した男として、庄司優斗の気持ちがわからないわけじゃない。

K市には名門が山ほどある。本当に浮気もせず、愛人も囲わずにいる家が、いったいどれだけある?

自分だって、やったことがある。

そうでなければ、庄司優斗が生まれるはずもない。

三百五十万と店舗の権利。あれは償いであり、宥めであり、そして――買い取りだ。

庄司グループはいまK市でそれなりに盤石な地位を築いている。だが同業の競争は激しく、さらに上には大企業が何社も控えている。だからこそ同盟が要る。

利害で結ぶ同盟もあるが、縁組がもたらす安定した結びつきは格別だ。

竹...

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