第14章 策略、利用

翌朝、美術館が発注していたアクリル板の一括納品が届き、館長である竹内葵は検品のため現場へ向かうことになった。

晩秋の雨は二日続けて降りっぱなしで、止む気配がない。

庄司優斗は、彼女が雨の日の運転を嫌うのを知っている。だから自分が送ると申し出て、竹内葵も特に断らなかった。

けれど、車を停めたばかりでエンジンも切っていない。シートベルトを外した、その瞬間だった。

向かいの区画に、どこか見覚えのある白いBMWが滑り込んでくる。

新井新菜だ。

一瞬、思考が空白になり――すぐに思い出す。半月取っていた年休が終わり、今日は出勤日なのだと。

竹内葵は庄司優斗を見ないまま、感情を胸の奥へ押し込...

ログインして続きを読む