第16章 焼け火箸

竹内葵はそっと息を吸い、無理に笑みを作った。

「お母さん、優斗のこと責めないで。彼、私には十分よくしてくれてるの。私が最近忙しすぎて、食欲もなくて……それに昨夜もあまり眠れなかっただけ」

「それじゃダメよ。どれだけ忙しくても、身体が一番なんだから」

結城夏帆は痛ましげに葵の手を握り、そのまま室内へ歩きながら家政婦を呼んだ。

「私が作っておいたお粥、お椀によそって持ってきて。葵ちゃんに」

家政婦は返事をして厨房へ消え、ほどなくして、透きとおるように艶のあるお粥を運んできた。

葵はそれを受け取り、「ありがとう、お母さん」と小さく頭を下げる。

「何を言ってるの。お粥くらい。気に入った...

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