第17章 ぶりっ子

結城夏帆は彼女の手を引き、心の底からと言わんばかりに言った。

「何をそんな他人行儀なこと言ってるの。あなたはうちの嫁なんだから、私のものはあなたと優斗のものでしょう? ほかの誰かにあげるわけないじゃない。帳尻が合わなくなるのが怖くなければ、もっと渡したいくらいよ」

竹内葵は分かっていた。美容サロンの法人に自分を据えるよう仕向けた以上、結城夏帆がその法人という時限爆弾を、そう簡単に引き取るはずがない。

胸の奥がすとんと沈む。握った拳に、じわじわ力がこもった。

――証拠を急いで掴むしかない。こちらから先に、あのサロンの化けの皮を剥がしてやる。

庄司家へ戻った頃には、もう五時近かった。結...

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