第19章 竹内葵は変わった?

竹内葵は、せいぜい三十分もすれば外の会話は終わるだろうと思っていた。ところが、気づけば一時間半。加賀夫人の話はまだ止まらない。

休憩室には椅子もソファもない。ベッドに腰掛けるのも気が引けて、立ちっぱなしの脚はふらつき始めていた。

さらに十分ほど経ったころ、隠し扉がようやく開いた。竹内葵は腿を叩いていた手をぴたりと止め、扉の向こうの男と呆然と視線を交わす。数秒遅れて、慌てて背筋を伸ばし、気まずい笑みを作った。

「加賀夫人、帰られました?」

早瀬信祐は、皺ひとつないベッドの角をちらりと見てから、唇を動かす。

「さっきな。出てこい」

「……はい」

竹内葵が脚を動かした瞬間、よろけた。...

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