第22章 知らないふり?

彼とは数回顔を合わせただけで、正直そこまで理解しているわけじゃない。けれどこの瞬間、竹内葵は――早瀬信祐のその微かな表情が何を意味しているのか、なぜだか読み取れてしまった。

まあ、そうだろう。

正妻である自分が、夫の不倫相手を目の前で発見している。そのうえ三人とも、表向きは仲良しこよしみたいな顔をしているのだから。

相当、奇妙な状況だ。

でも仕方ない。証拠を取るためだ。

早瀬信祐の表情は淡々としていた。最低限の社交といえば、金田校長に紹介されたときに庄司優斗へ軽く会釈した程度。最初から最後まで、竹内葵と視線を合わせようともしない。

知らないふり?

「こちらは庄司社長もご存じかも...

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