第33章 翻意する

新井新菜は背筋を強張らせ、その場で固まった。

竹内葵とはもう七、八年の付き合いだ。新菜の記憶の中の葵は、いつだって品があって俗っぽさの欠片もなく、物静かで優しく、凛として清らかな人だった。人にも物事にも、驚くほど根気よく、親切で。

葵が怒るところなど一度も見たことがない。――いや、まさか、あんなにも冷たく、人を凍らせる目をするなんて。

その場にいた全員が、新菜と同じ顔をしていた。

信じられない。

心臓が早鐘を打つ。悪いことをした後の、あの後ろめたさと、じわじわ広がる焦り。新菜の視線は無意識に、少し離れた場所のアクリル板へと滑った。

乾いた唇をぺろりと舐め、わざとらしいほど悔しそう...

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