第34章 嫉妬と恨みと探り

夕暮れが迫り、空の端に残っていた最後の茜もすうっと消えた。

最後の来館者が帰ったあと、美術館は閉館。竹内葵は事務エリアで小さな総括ミーティングを開いた。

オープン初日はもう過ぎたとはいえ、会期はあと六日。毎日気を抜けない。安全面のチェックは日課で、しかも一日二回以上。慣れたからといって惰性で流せば、足元をすくわれる。

会議は長引かなかった。夜は残業になるのが目に見えている。葵は彼らの時間をこれ以上奪わず、さっと解散にした。

彼女が振り返って自分のオフィスへ入った、その頃。

反対側では、庄司優斗が車で美術館に到着していた。展示エリアへ向かおうとしていた田村部長が彼を見つけると、驚く様...

ログインして続きを読む