第45章 真心を裏切った者は、一万本の銀針を呑む

新井新菜は、庄司優斗が迷いなく追いかけていく背中を見つめた。呼び止めようと口を開きかけて――結局、言葉を飲み込む。

今の自分に、彼を呼ぶ資格なんてない。

彼だって、竹内葵を追う足を自分のために止めたりしない。

今夜は、本来なら降格の埋め合わせにと、食事と映画に付き合ってくれるはずだったのに。竹内葵のせいで、彼は自分を置いていった。

怒り。悔しさ。惨めさ。認めたくない敗北感。どす黒い憎しみ。

いくつもの感情が一気に胸の奥へ押し寄せる。

新菜は拳をぎゅっと握り、目を閉じて、その苦さを無理やり押し込めた。視界の端に映ったのは、ゆったりと優雅にステーキを口に運ぶ早瀬信祐。

――使えるか...

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