第54章 もう一度自分を夢に見る

別れる?!

竹内葵は、その言葉を凝視した。瞳の奥が、驚愕と信じがたさでいっぱいになる。

五百万の別れ金なんて、二千万超えの豪邸に比べたら、取るに足らない。

彼女が本当に驚いたのは、庄司優斗が新井新菜と別れると言い出したことだった。

ついこの前、オフィスでは新井新菜を庇っていたじゃない。

それなのに、どうして急に別れ話になるの?

――もしかして。

自分が誘導したせいで、優斗が「新菜はお腹の子に何かするかもしれない」と疑い始めた……?

混線する思考を無理やり押さえ込み、葵はスマホを握ったまま書斎の前へ向かった。

優斗の書斎と葵の書斎は別々だが隣り合っている。二人とも静けさを好む...

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