第75章 偽の帳簿

結城夏帆は家で三日続けて寝込んでいた。竹内葵は毎日、夕方に仕事が終わると様子を見に行き、いっしょに夕食を取り、他愛ない話をして過ごした。

その間、庄司剛征は匿名で通報してきた人物を追っていたが、手がかりは一向に掴めないままだった。

葵は、彼が何かを突き止めるとは思っていない。それでも夏帆の愚痴を聞くたび、胸の奥がふっと軽くなる。

四日目になって、夏帆はようやくベッドを出て部屋から姿を見せた。顔色は相変わらず冴えず、血の気が薄い。今回の件がよほど堪えたのだろう、全身から力が抜けたように見えた。

葵は彼女の身体を支えながらリビングのソファへ座らせ、使用人が運んできた薬膳粥を受け取って差し...

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