第101章 社長!どうしてあなたなんだ

山本梨衣POV

頭の中が、真っ白になった。

突然現れてチンピラを一蹴りで吹っ飛ばした相手が――社長だったと分かった瞬間、思考が止まった。

あの雲の上みたいな人が、どうしてこんな胡散臭い路地裏にいるのか。しかも、私のために手を出したなんて。

驚きが引いた次の瞬間、心臓を鷲掴みにされるような恐怖が押し寄せてきた。

「しゃ、社長!?」

声が裏返った。私は慌てて背中の弟をさらに後ろへ庇い、必死に手を振る。

「ど、どうしてここに……! だめです、帰ってください! 社長には関係ありません! 私なんかのせいで、厄介ごとに巻き込まれないで……!」

泣きそうな声になっていた。本気で怖かった。

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