第109章 尊い身分

浅川浩POV

そのころ――薄暗い路地の奥。

十数人の用心棒が、青あざだらけの顔で肩を貸し合いながら、この厄介な場所から逃げ出そうとしていた。

「くそっ、今日はマジでツイてねえ! あの女、いったい何者だよ。強すぎだろ!」

「さあな……山本家の兄妹が鉄板に蹴り入れたってことだ。俺らまで巻き添え食った」

「とにかく行こう。腕、たぶん折れてる……病院だ……」

悪態をつきながら歩き出した、その瞬間。

路地の出口が、何本もの眩しいヘッドライトに白く切り裂かれた。

黒いレクサスが数台、音もなく並ぶ。降りてきたのは黒スーツにイヤモニの、いかにもプロの護衛たち。無表情のまま散開し、逃げ道を塞ぐ...

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