第110章 トロフィー

藤堂律POV

藤堂律は、ボディガードたちの呻き声など意にも介さなかった。磨き上げられた高級革靴で、コツ、コツと一歩ずつ近づく。

床に転がる連中を見下ろす視線は、虫けらを見るそれより冷たい。声には、温度というものが一滴もなかった。

「首の傷……誰がつけた」

ボディガードたちは固まった。首の傷? 何のことだ。

茫然と恐怖が顔に貼りつき、目だけが泳ぐ。

真っ先に我に返ったのは、先頭にいた男だった。泣きそうな顔で叫ぶ。

「藤堂社長、俺たち、冤罪です! あの方には指一本触れてません! 触れる前にやられたんです! 十数人が、ほとんど一人に……殺されかけたんですよ!」

折れた腕を震える指で...

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