第24章 あなたこそ俺の婚約者だった

茜音視点

彼らは藤堂律の氷のような視線を受け、昨夜の菅田夢香の大失態を思い出したのだろう。顔色がさっと変わった。

夫婦は目を合わせる。そこにあったのは、狼狽と――悟り。

ここまで来て、隠し通す意味はない。むしろ隠せば隠すほど、菅田家が責任から逃げ、藤堂家を愚弄しているように映るだけだ。

菅田直木は一家の大黒柱として、長い溜息を吐いた。羞恥と申し訳なさを顔に滲ませたまま、藤堂律に向かって深々と頭を下げる。

「藤堂社長、この件は私ども菅田家に非がございます。本来ならもっと早く、あなたと藤堂大旦那様にお伝えすべきでした。しかし、機会を失い続けて……」

菅田雪恵も目元を赤くし、声が小刻み...

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