第39章 誰と会うつもりだ?

志水正国視点

志水グループ社長室。

両目が真っ赤だった。スマホを握り潰しそうなほど力を込め、耳に押し当てる。受話口から流れてくるのは、終わりのない無機質な女声。

「申し訳ありません。おかけになった電話はただいまおつなぎできません……」

「――くそっ!」

反射的に床へ叩きつけた。高価な筐体がガシャーンと音を立てて砕け、破片が四方へ散る。

「柳沢未波……! 柳沢未波って、いったい何者だ!」

喉の奥で低く唸る。

SA投資銀行。彗星みたいに現れた投資機関だ。あいつらは電光石火で、志水グループ最大級の海外提携案件をさらっていった。正直、最初は神風だと思った。落ちかけた会社に、天から札束...

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