第41章 彼女はきっと愛人として囲われている

茜音視点

言い終えると、彼はまた車へ戻って席に沈み、ドアを閉めた。――まるで、世界が終わるまでここで待つとでも言いたげな顔で。

もう相手にする気も起きない。私は背を向け、そのままレストランへ入った。

店内ではスタッフに案内され、手入れの行き届いた中庭を抜けて、静かな個室へ通される。

襖を開けると、二人の老人が卓に並んでお茶を飲んでいた。私の姿を見た瞬間、ぱっと慈しむような笑みが咲く。

「もう、茜音ちゃん。やっと来たねえ!」

原野雲子が立ち上がり、私の手を取って、手の甲を軽く叩いた。叱っているのに、声の端まで優しい。

「おじいさま、おばあさま」

張りつめていた表情が、するりとほ...

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