第47章 藤堂律から離れておけ

菅田夢香視点

承諾を取り付けて、菅田雪恵はようやくほっとしたように息を吐き、笑って私に言った。

「じゃあ、あなたの言うとおりにしましょ。家族みんなで、ちゃんと外で集まって食事でも」

胸の底で燻っていた悔しさが、少しだけ落ち着く。

主導権を取り戻した――その感覚が、私の神経を妙に昂らせた。

私はすぐスマホを取り出し、いかにも何気ないふりをして画面を流しながら、わざとらしく胸を張る声で言う。

「最近できたフレンチがあるの。シェフがミシュラン三つ星から引き抜かれた人で。あ、それと山の上のレストランもおすすめ。街の夜景が一望できて、この前友だちと行ったんだけど……」

一般人は名前すら聞...

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