第48章 彼に手作りの巾着を贈る

茜音視点

ベントレーは滑るように車列へ溶け込み、菅田家の別荘に残った喧騒と気まずさを、はるか後方へ置き去りにした。

車内は、息苦しいほど静かだ。

藤堂律は前方を見据えたまま、長い指でハンドルをトントンと叩き、沈黙を破った。

「俺と彼女は親しくない」

――説明、というやつだ。

菅田夢香とは、私の義妹であるという一点以外、何の関係もないのだと。

私はシートに身を預け、まぶたすら上げずに言い捨てる。

「どうでもいいわ」

本当に、どうでもいい。

菅田夢香の小細工など、私にとっては道化の余興でしかない。心が揺れるほどの価値すらない。

藤堂律の指が、わずかに強くハンドルを握り込む。...

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