第51章 仲違いさせる

茜音視点

菅田家へ戻る道すがら、私たちは広めのワンボックスに乗り込んだ。運転席の菅田悠一がルームミラー越しにちらりと視線を飛ばし、気軽な調子で言う。

「さっき店の前でさ、志水の連中、そろいもそろって葬式みたいなツラしてたよな。めちゃくちゃスカッとしたわ」

「志水家」と聞いた瞬間、母の肩がぴくりと跳ねた。反射みたいに私の手を掴み、心配でいっぱいの目を向けてくる。

「茜音、あの人たちに見られてない? 嫌なこと言われたり、困らされたりしてない?」

「ううん。大丈夫」

私が首を振ると、母はようやく息を吐いた。すぐに過去のことが蘇ったのか、唇を歪めて不快そうに言う。

「ほんと、茜音が戻っ...

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