第6章 抱き違えられたのはあなたよ

茜音視点

母は私の顔色をうかがうように、恐る恐る言った。

「夢香は……私たちの実の子じゃない。でも、二十年も一緒に暮らしてきたのよ。情がないなんて、嘘になるわ」

ひと呼吸置いて、さらに言葉を重ねる。

「あなたにとって不公平なのは分かってる。本来、全部あなたが受け取るべきものだもの。でも夢香だって……悪くないの。取り違えられたとき、あの子は赤ちゃんだった。だから、お願い。これからも家に住まわせて、私たちの養女として……ね? もちろん安心して。菅田家のものは、これから先は全部あなたのものよ。あの子には、居場所だけを……」

母の瞳に浮かぶ期待と不安を見て、私は淡々と答えた。

「分かって...

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