第61章 同じ部屋で過ごす

藤堂律POV

俺は長く、濁った息を吐き出した。なのに脳裏では、さっき指先が触れた瞬間だけが勝手に巻き戻される。

細やかで、ひんやりとした肌。上質な冷たい玉みたいで――ほんの一瞬の感触のはずなのに、電流みたいに指先から胸の奥へ走り、痺れるような熱だけを残していった。

落ち着かないまま身を持て余していると、浴室の扉が開いた。反射的に目を上げた瞬間、呼吸が詰まる。

湯上がりの茜音が、白い湯気をまとって出てきた。

彼女が着ているのは、俺の黒いTシャツ。大きすぎて肩が落ち、裾は太ももにかかるかどうかのところで止まっている。そのせいで脚の線が余計に際立って、まっすぐで、細くて、やけに長い。

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