第62章 証拠を突きつけて顔を潰す

茜音POV

足は止めない。視線も逸らさないまま受付へ向かい、冷えた目を中村佳代に落とした。

中村佳代は私に見据えられた瞬間、びくりと肩を跳ねさせる。慌てて小走りで寄ってきて、声を限界まで絞った。泣きそうで、悔しさが滲んでいる。

「社長……止められませんでした。あの人たち……」

「どうして、あれがここにいるの?」

声は平坦。怒っているのかどうかも分からない。けれど、嘘をつく気を根こそぎ削ぐ圧だけは、確かにある。

「ほ……本社からの通達です……」

中村佳代の目元がさらに赤くなる。

「今朝一番で、本社の梅宮っていう総務部長が松井副社長を連れてきて……原職復帰だって。昨日の解雇手続き...

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