第65章 もう一つの手を考える

菅田直木POV

菅田家の別荘。電話を切った瞬間、頬が勝手にゆるむ。抑えきれない喜色と誇らしさが、顔にべったり貼りついていた。

間髪入れず、別の番号へかけ直す。

「木下さん。川沿いの高級レストラン、いちばんいい個室を押さえてくれ。今すぐだ」

受話器の向こうの返事を待つ間も、胸の奥が熱い。

階段を下りてきた雪恵が、俺の顔を見てくすりと笑った。

「そんなに嬉しそうにして。何かあったの?」

「うちの娘がな、今日会社で大暴れだ。あのゴミどもをまとめて片づけた!」

思わず大きく手を振る。声まで弾んでしまう。

「祝いだ、祝い! ちゃんと祝ってやらないと。あの子は本当に……俺の誇りだ」

...

ログインして続きを読む