第7章 彼女は何の資格があって私のすべてを奪うの!

菅田夢香視点

衣装部屋の中で、私はクローゼットの取っ手をぎゅっと握りしめていた。力を入れすぎて、指の関節が青白い。

違う。

こんなの、違う。

菅田家の令嬢は私だ。二十年この家で暮らしてきた娘は私だ。茜音なんて女が、いきなり現れたからって――どうして私のものを奪える?

けれど、鑑定結果はそこにある。冷たい数値、正確すぎる一致率。刃物みたいに心臓を抉ってくる。

私は菅田家の子じゃない。

震災の混乱で取り違えられた赤ん坊。志水家で育つはずだった、もらわれた子。

恐怖が潮みたいに押し寄せ、喉まで満ちた。

私は全部、失うの?

この屋敷も、ブランド品も、お父さんとお母さんの寵愛も、「...

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