第71章 万能

菅田夢香POV

「だったら伝えてください。どれだけ時間がかかっても、私は待ち続けるって!」

――私のこの一途さが、石ころみたいな心を温められないはずがない。

浅川浩は、私の「自分に酔ってる」顔を見ても、ただ小さく頷いただけだった。余計なことは一言も言わない。くるりと踵を返し、藤堂律の背中を追って足早に去っていく。

広い社長専用ラウンジに残ったのは、私ひとり。

まるで観客のいない一人芝居。立ち尽くす私だけが、やけに浮いて見えた。

少し離れた受付カウンターでは、若い女の子たちがひそひそ声で話している。

さっきここへ来たとき、私は彼女たちに高いミルクティーを差し入れて、輸入菓子まで渡...

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