第76章 立場を求める

茜音POV

藤堂律は、認められたことへの満足感に浸っているらしい。私の言葉を聞くと、ふっと視線を落としてきた。目の奥の笑みは薄れるどころか、むしろ濃くなる。

耳元へ身を寄せ、熱を帯びた息がさらりと頬を撫でた。

「なに? もう追い出す気? まだアフタヌーンティー、終わってないだろ」

この居直ったような厚かましさに、頭が痛くなる。

もうひと言返そうとした、そのとき。

藤堂律のポケットのスマホが、場違いなくらい軽快に鳴った。

着信表示を見た瞬間、彼の表情から笑みがすっと消える。代わりに浮かんだのは、恭しくて、しかも少し面倒くさそうな顔。

彼は少し離れて電話に出た。なぜか私を避けない...

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