第79章 粘着質すぎ

茜音POV

田中さんは彼女の大げさな反応にびくりとして、きょとんと耳をほじった。

「なんだよ早絵さん。俺、何も聞いてないけど。早絵さんの聞き間違いじゃないの?」

「ありえない!」

梅宮早絵は半狂乱で、私が身を潜めている方向を指さす。

「音はあの隅からしたの! ほら、見に行って! そこに積んである箱、全部どかして!」

あまりに言い切るものだから、田中さんも背筋がぞわりとして、渋々もう一度こちらへ歩いてきた。

ラベルのない段ボールの山の前まで来ると、苛立ったように二、三度蹴りつける。

ドン、ドン、と鈍い音。

「早絵さん、誰もいませんって。ガラクタの箱だけ。これ以上やってたら、夜...

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