第8章 見せかけだけの態度

茜音視点

夕食の席は本来なら温かい空気に包まれているはずなのに、今夜はどこか、ピンと張った糸みたいな緊張が混じっていた。

菅田夢香はいつにも増して念入りだった。淡いピンクのワンピースに、隙のないメイク。髪一本まできっちり整えている。――けれど、その努力は報われていない。

菅田雪恵の視線は終始、私に向けられていた。時折こちらの皿へ料理を取り分け、「何が好き?」と優しく訊いてくる。菅田直木は菅田悠一と会社の話をしつつ、ふと顔を上げては「新しい環境はどうだ」と、私のことも気にかけてくれた。

夢香の前の取り皿は、置いたままみたいに綺麗だった。食欲がないのが見て取れる。何度か話に入ろうとしたの...

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