第85章 余計なお世話

茜音POV

菅田夢香は、床に尻もちをついたままの無様な格好を崩せずにいた。頬には涙の跡が幾重にも走っている。

その横を、藤堂律は私の手を引いたまま、何事もなかったかのようにダイニングテーブルへ向かった。

そこへ、物音を聞きつけた菅田直木と菅田雪恵が階段を下りてくる。リビングの光景を目にした瞬間、二人の顔色が目に見えて曇った。

菅田雪恵は早足で近づくと、床の菅田夢香には一瞥もくれず、私の隣の椅子を引いてみせた。さっきまでの硬さを塗り替えるように、愛想のいい笑みを貼りつけて。

「茜音、さあ座って。中村さんの得意料理、食べてみて」

菅田直木は咳払いをひとつ。まだ突っ立ったままの菅田悠一...

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