第98章 心が痛む

茜音POV

志水家の人間がどうなろうと――これから先、私にはもう一切関係ない。

夜が更け、昼間のざわめきもようやく沈んでいく。

柔らかな大きなベッドに横たわっているのに、眠気はちっとも訪れなかった。無理やり心の底に押し込めていた志水家の暗い記憶が、鎖を引きちぎった悪鬼みたいに頭の中で喚き散らす。どれほど時間が経ったのか分からない。疲労に引きずられるように、私はようやく深い眠りへ落ちた。

夢の中は、氷みたいに冷たい。

――また、あの家の狭くて薄暗い物置に戻っていた。外から聞こえるのは、志水真琴の刺々しい罵声。

「疫病神! 疫病神! いつも仏頂面で、誰に見せてるつもり? まだ使い道が...

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