第10章 すべて彼女の作品

「グレイ・グループは北区にいくつか不動産を持っていてな。君が住むなら、あの中でいちばんセキュリティが堅い家にする」リオンが言った。

「3階建ての戸建てだ。1階がリビングとキッチン、2階が寝室と書斎。地下1階が作業室で、宝石の切削機器も工具も一式そろってる。君の望む作業条件は全部満たせるはずだ」

エラはしばらく、言葉を失った。

「別に他意はない」リオンが付け足す。

「君はいま俺のパートナーだ。君の安全はプロジェクトの進行に直結する。それだけだ」

車内が数秒、静まり返る。

エラは目にも止まらぬ速さで思考を回し、そして即答した。

「……うん。お願い」

いまの彼女に必要なのは、まず安...

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