第110章 いいえ、あなたは間違っている

アレックが秘書に車椅子を押され、会議室を出た頃には、外はすっかり暗くなっていた。

廊下では、最後に残った数名の株主が小声で言葉を交わしている。彼が通りかかると、皆それぞれ軽く会釈した。

愛想がいいわけでもない。かといって、露骨に拒む空気でもない。

今日の株主総会は――収穫があった。

少なくとも、連中はもう内輪揉めをやめた。アレックの説得で、ひとまず足並みを揃え、外に向けて一枚岩になると決めたのだ。

秘書もようやく肩の力が抜けたのか、珍しく表情に薄い笑みを浮かべ、アレックをルイが使っていた執務室へと連れていく。

「副社長の執務室は、まだ改装中です。完了するまでの間、こちらをお使いく...

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