第114章 俺について来い、損はさせない

ヴィアンが思い描いていたトーマス像は、古い宝飾品が所狭しと並ぶ応接室の奥で、仕立てのいい服を着こなし、髪を一分の乱れもなく撫でつけている――そんな男だった。

年を重ねてもなお、目だけは鋭く光っている。そういう人物。

けれど、いま目の前にいるのは、想像のどれにも当てはまらない。

干からびたように痩せ細った老人が車椅子にもたれ、頭は不自然に少し傾き、左半分の頬は明らかに落ちくぼんでいた。

――まさか、もう半身不随。

エドワードは最初から知っていたのだろう。驚いた様子もなく、当然のように先に部屋へ入り、慣れた手つきでトーマスと握手を交わした。

「サリヴァンさん、お久しぶりです。お身体の...

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