第119章 尾行された

濃いグレーのセダンが、斜め後ろおよそ20メートルの路肩に停まっていた。

覚えがある。

来る途中、高架の上で一度見かけた車だ。

そのときは気にも留めなかった。ラッシュ時なんて車だらけだし、いちいち覚えていられない。

けれど――高架から工房まで、そして路肩に停めた私の車まで。あのセダンは場所を三度変えながら、ずっと「遠すぎず近すぎず」の距離で背後に張りついていた。

心臓が、ひゅっと跳ねる。

……尾行されてる。

エラは何事もないふりをしてエンジンをかけ、ギアを入れ、滑らかに本線へ合流した。

交差点を二つ抜けたところで、もう一度ルームミラーを見る。

あの車も動き出していた。ゆったり...

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