第121章 帰ってきた

リオンの声は、相当腹に据えかねているらしい。吐き出す言葉の一つひとつが、奥歯を噛みしめたまま削り出したみたいに硬かった。

エラは口を開き、呼ぼうとする。

「リオン……」

けれど喉から出た声はひどく掠れていて、自分でも聞き取れないほどだった。

それでも、廊下の怒声がぴたりと止まる。

次の瞬間、病室のドアが押し開けられ、リオンが大股で入ってきた。

ベッド脇まで早足で寄ると、腰を折り、彼女の手をそっと包み込む。

「起きたか? どこがつらい? 医者呼ぶか?」

エラは小さく首を振った。

「平気。外であんな大声出されたら、起きないほうが無理でしょ」

リオンの口元が一瞬こわばり、珍しく...

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