第138章 ヘンリーの意図

公の場で「婚約者同士」として踊るのは、これが初めてだった。けれど――どう見ても、リオンは上の空だ。

「ヘンリー・クリントン、か……」

リオンはわずかに顎を引き、エラの耳元へ低く囁いた。

「入ってから今まで、あいつは少なくとも五回は君を見た。あれは絶対、下心がある」

「わかってるわ」

エラは彼のリードに合わせて、くるりと一回転する。

その瞬間、リオンの足が一拍止まり、危うく彼女のドレスの裾を踏みかけた。

慌てて歩幅を整えながらも、眉間の皺は深くなる。

「わかってる? わかってるのに、誘いを受けたのか?」

「わかってるから、来たのよ」エラはゆっくりと言った。「私には私の計画があ...

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