第22章 こんな男を逃したら二度と出会えない

左右に並んだ二人のボディガードが、エラの前に立ちはだかった。山が二つ、そこに出現したみたいに。次の瞬間には拳が振り下ろされてもおかしくない圧がある。

ヘレンとロバートの勢いは、そこで一気にしぼんだ。殴るどころか、息をするのさえ遠慮しているようだった。

「行きましょう」ヘレンがロバートの袖をつかみ、震える声で言った。

ロバートは奥歯を噛みしめる。不本意そうに、それでも拳を下ろした。

ボディガードの肩越しに、エラを射抜くように睨みつける。

「後悔するぞ」

エラは首をかしげた。

「そう?」

「クレルモン家が、このまま引くと思うな」ロバートは歯ぎしりするように吐き捨てる。「グレイ・グ...

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