第68章 知らせればそれでいい

リオンが電話に出るなり、向こうの秘書のどこか気の抜けた声が飛び込んできた。

「社長、国内でちょっと厄介なことが起きまして。いまSNSに、社長がヴィアン・クレモンに手を出そうとしたって噂が出回ってます。妙に具体的で……ただ、株価への影響は今のところ軽微ですし、世論もまだコントロール可能な範囲です」

リオンの眉がわずかに動く。

「大したことじゃない」

「ええ、大したことじゃありません」秘書はまたため息をついた。

「ただ社長……大旦那様が堪えきれないみたいで、クレモン家に直接乗り込んで筋を通すって。大奥様も怒りがおさまらず、私がいくら止めても……」

リオンは思わず苦笑して、眉間を揉んだ...

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