第70章 浮気女

エラは連絡先をスクロールし、ずっと音沙汰のなかった相手の番号を見つけると、そのまま発信した。

コールが二回鳴ったところで繋がり、スピーカー越しに、笑いを含んだ快活な男の声が飛んでくる。

「よう。珍しいな、エラ嬢が俺に電話とは。明日あたり槍でも降るんじゃねえの?」

エラは口元をわずかに上げた。

「チャールズ。久しぶり」

「そりゃ久しぶりだろ」チャールズはからかうように言う。

「で? 今日はどうした。お前、用がなきゃ絶対かけてこないタイプだろ」

「チッ」エラは拗ねたように舌を鳴らす。「先に世間話くらいさせてくれてもいいじゃない」

「お前が世間話?」チャールズが吹き出した。

「前...

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