第71章 あなたの彼氏が来た

エラはスマホを操作してから、彼に向けてひらりと掲げた。

「もう払った。あなたの工賃」

リオンは画面に表示された振込履歴を見た瞬間、息が喉に詰まった。ごくり、と飲み下そうとしてはまた詰まり――結局、何度繰り返しても声にならない。

やがて諦めたようにくるりと背を向け、しょんぼりと階下へ降りていった。

夕方。エラは軽く身支度を整え、車のキーを掴んで外へ出た。

階段を下りると、リオンがリビングのソファで脚を組み、経済紙を読んでいるところだった。

足音に気づいた彼は顔を上げ、淡々と彼女を一瞥する。上から下まで視線でなぞったあと、鼻でふんと笑った。

「着飾って、派手にして」

エラは自分の...

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