第72章 彼女の彼氏は気が短い

エラが振り向くと、個室の入口に背の高い男が立っていた。

にこりと笑い、エラを見る。

「久しぶり、エラ」

エラもつられて笑い、馴染みの調子で手を振った。

「ウォルトン、あなたも来たの? チャールズ、何も言ってなかったけど」

「君に会ってなかったからね。そりゃ来るさ」

ウォルトンはそのまま個室へ入り、後ろ手に扉を閉める。視線がリオンへ落ち、興味深そうに眉を上げた。

「こちらは……彼氏?」

エラが答えようとした瞬間、リオンが先に手を差し出した。

「初めまして! リオン・フィッシュです!」

ウォルトンは一瞬きょとんとしたが、すぐにその手を握り返し、口元の笑みを深くする。

「リオ...

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