第78章 触るな

バスターはしばらく呆然としていたが、次の瞬間、眼窩がぱっと赤く染まった。

そして勢いよく背を向け、のれんを跳ね上げて厨房の奥へ駆け込もうとする。

「バスター!」

エラが張り上げた声が、彼を呼び止めた。

エラは駆け寄るなり、彼の袖をつかむ。彼女の目も真っ赤で、唇は激しく震えているのに、何を言えばいいのか言葉が出てこない。

バスターは背中を向けたまま、棒のように固まった。

肩が小さく上下している。なにかを必死に押し殺しているみたいに。

長い沈黙のあと、くぐもった声が落ちてきた。

「……何しに来た」

エラは深く息を吸い込む。

「あなたを探しに来たの。それに……どうしてここにいる...

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