第80章 ただ一つの可能性

リオンは一歩踏み出すと、エラの手を取った。そのまま指を絡め、ソファへ連れていって隣に座らせる。

「どうした?」

エラは背もたれに沈み込み、眉間を指で揉んだ。

「バスターの様子を見たら……放っておけなくて。勝手にここに残して、料理人として雇うことにしちゃった。助けたいって気持ちだけ先に出て、あなたに相談する余裕がなかったの」

リオンは一瞬きょとんとして、すぐ吹き出した。

「なんだ、そんなことか」

彼はどさっと背を預け、脚を組む。

「置いとけばいい。ちょうど料理人が欲しかったしな。うちの使用人は住み込みじゃなくて、昼に来るだけだろ。三食って言っても、せいぜい朝と夜に一回会えるかどう...

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