第83章 ルイはもうすぐ駄目になる

エラはリオンに押さえつけられ、口づけだけで呼吸が乱れていった。

彼はいつだって焦らない。唇を奪い、そこから顎へ滑り、首筋をゆっくりとなぞるように下りてくる。

その優しい攻めが、かえって抗いようもなくて――エラはとうとう、完全に堕ちた。

情欲が火の塊みたいに、エラの身体を包み込む。

彼女はわずかに顎を上げ、目を閉じたまま、指先で彼の肩甲骨をそっとひと筋なぞった。……もっと先へ進んでいい、という合図。

けれどリオンの動きが、ふいに止まった。

エラは目を開ける。熱の引かない顔で、戸惑いを隠せずに尋ねた。

「……どうしたの?」

リオンは顔を寄せ、額を彼女の額に当てる。鼻先が鼻先をかす...

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