第98章 旦那様、大変です

先頭の警官は眉をひそめ、苛立ちを隠しもしなかった。それでも職務口調を崩さず、もう一度だけ言い直す。

「ロバート・クレモンさん。我々は逮捕状の執行に来ました。あなたの息子、マシュー・クレモンは聖心孤児院で起きた性的暴行事件への関与が疑われています。身柄を確保し、事情聴取を行います」

ロバートは雷に打たれたように、その場で固まった。

次の瞬間、彼は声量を跳ね上げ、警官に怒鳴りつける。

「ありえない! 絶対にありえん! マシューは家の中でもいちばん地味な人間だ! 口数も少ないし、性格だって偏屈で……普段やってることといえば図書館で本を読むか、あの訳の分からん詩集を書き散らすくらいだ! そん...

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