第116章 冗談

桐生冬紀は気持ちを立て直し、LINEで何人かの友人に、T市で評判のいい法律事務所がないか尋ねた。

幸い、ここ数年の付き合いは無駄じゃなかった。できる範囲で力になろうとしてくれる人間が、ちゃんといる。

そのうちの一人が勧めてきたのが星高法律事務所だった。

「星川涼音っていう女性弁護士。めちゃくちゃ優秀だよ。刑事も民事もほとんど負けないし、先週も医療トラブルで人が傷ついた件を扱って、被告に一番軽い処分を取らせたって」

冬紀は「ありがとう」と返し、続けて打った。

「明日、行ってみる」

その夜は家で過ごした。自分が昔使っていたベッドに潜り込み、枕元の写真立てに目をやる。家族五人で写った一...

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